墜落修理は元どおりにならない!?

ドローンが墜落するというのは、まるで信頼していた友人に裏切られたようなショックを受けます。空を自由に飛び回るドローンが突然動かなくなる。そんな経験は、多くの方にとって「もう二度と飛ばしたくない」という気持ちにさせてしまうかもしれません。しかし、ここではそんな事故をポジティブな経験へと変えていく方法に焦点を当てていきたいと思います。実は、墜落したドローンも、適切な手順で修理を行えば、元どおり、いやそれ以上に信頼できるパートナーへと生まれ変わるのです!

墜落のダメージは複雑

多くの農業用ドローンは、モジュール式のパーツで構成されています。モーター、フライトコントローラー、ESC、受信機、、、。これは、一部が壊れても交換することで、全体の機能を容易に回復できるというメリットがあります。しかし、骨格となるフレームにかかわる部分が微細なダメージであったとしても、その部品の交換が推奨されます。なぜなら、フレームの亀裂のように些細に見えるダメージでも、飛行中の振動で拡大し、予期せぬトラブルを引き起こす可能性があるからです。表面的な破損で修理方針を決めてしまうことは避けたほうがいいでしょう。

修理プロセス

修理のプロセスは、破損したドローンを元の状態に復元するための品質基準に沿って行われます。まずは故障診断を行い、明らかに破損してるパーツは交換しますが、破損していないのに動作しない、というケースもあります。このケースだと症状が様々ですが、原因がほかにある可能性もあるので、地道に故障原因を突き止めていきます。ここをしっかり行えば、修理方針も自ずと決まるため、一番重要なプロセスとなります。 基本的には同じ型番の部品で交換を行いますが、部品が廃盤の場合は、同等の性能を持つ他の部品を使用します。ただし、異なるメーカーの部品を組み合わせることは避け、予期せぬバグの発生を防ぎます。

動作保証はメーカーに比べて短め

大量のストックパーツを抱え、大量生産するメーカーと異なり、都度ごとに調達を行い、既存パーツとの調整となるので、メーカー出荷時のような長期保証はありません。もちろん、新たに交換された部品は、単に装着するだけでは終わらず、テスト飛行を通して、その品質をチェックします。生産ロットによる僅かな差異が性能に影響を与えることもあるため、経験豊富な専門家が細部にわたって検証を行い、少しでも不確定要素を減らしてお渡しします。

修理ではなくアップデートのチャンス

ドローンのパーツはドローン本体同様に日進月歩で進化しています。同じ型番の部品でも、細かなアップデートが施されるケースが多く、修理による部品交換が、結果としてドローンの機能向上となるケースがほとんどです。プログラムの安定化、消費電力の低減、生産時の品質向上など、部品が新しいことによる効果は大きく、修理前よりもパフォーマンスが向上する、という意味で元どおりではありません。

トラブルは心が痛みますが、ドローンをよく知り、ドローンの運用がよりよくなる機会になると、前向きにとらえられると、これからの運用にも良い影響があるでしょう!